そいつは俺に大事な事を教えてくれた



夢か現実か分からないけれど



そいつは俺に大事な事を思い出させてくれた



あの日あったことを。




 * 時空を越えて *





「はぁー……毎日がつまんねーよ」


俺の名前は 萩原 佑介。

ただのしがないサラリーマン。

けど、みんなと違うのはただ一つ

何もかもがつまらないのだ。

会社の付き合いも悪い。なぜなら、つまらないからだ。

そんなある日、彼はいつもと違う人に会った。



" 君、過去に戻りたいって思ったことある? 

「誰だ!?」



辺りを見渡しても誰もいない。

後ろも右も左も、どこにも誰も居ない。



" 君の一番、戻りたい過去に連れて行ってあげるよ 



また同じ声の主。

ふと、上を向いてみると、なんと人が宙に浮かんでいる。

佑介は驚いて、地面にしりもちをついてしまった。



「何で……、宙に浮いてんだよ!!」

「それは、内緒。でもね、別に糸で吊ってるわけじゃないからね」


そして、その男はゆっくりと地面に降りてきた

その男は、少し老けた男で身長は175cmぐらいという普通な男

見たことのない服を着ている。

そして、変てこな杖も持っていた。

木の杖の先にちょっとした宝石が太陽の光で輝いていた。



「僕は、時の魔術師。君を戻りたい過去に連れて行ってあげるよ」



そういって、男はポンっとその杖で地面を叩いた。

すると、地面からどこか古い木の扉が出てきた。



「君の戻りたい過去への入り口だ」



そう言って、男は中へと入っていってしまった。

つられて、佑介もその扉の中に入っていった。

二人が扉に入った後、扉は地面に帰っていってしまった。



「なんだここ?」



扉の中は真っ暗で何も見えない。

けれど、前を見れば、眩いばかりの光が降り注いでいた。

不意に佑介はその光の方に走りだした。



「っっっ!!!!」



光の中に入ると、急に明るくなって少し眩暈がした佑介だったが。

すぐに目を開けると、そこは小さな漁港に居た。

目の前には大海原。後ろを振り返れば山。

そして、山と海の間に連なっている家。

そこは、来た事の無い場所。でも、ドコか懐かしい場所でもあった。



「ドコだっけ、此処」

「君が一番、来たかった過去の世界だよ」

「っっ!!お前は!」

「“タイムリミット”は12時間。その間に、し忘れていた事を思い出すチャンスだ」



そして、その男は消えてしまった。

し忘れていた事。それさえも、思い出せない。

思い出せるまで、この島を回ってみよう。



残り時間 11時間59分  12:1



「懐かしいな…。でも、此処はドコだ」



確かに、体は懐かしいと感じている。

だけど、何故か思い出せない。

し忘れていた事も、全く思い出せない。



「おや、客人ですかね」


ふと、横を見るとお婆さんが。

どうやら、海女さんらしい。今、漁船から帰ってきたようだ。



「此処は、ドコですか?」

「おや、分からずに来たのかい?おかしいね」



少し笑ってから、質問に答えた。



「白海島って言うんだよ」



白海島、どこかで聞いたことがある名前。

でも、ドコで………。



「そういえば、今日はお祭りだったね。行ってみるといいよ」



そういわれて、指定されたお寺に行った。

そこでは、まだ出店の準備がしてあって賑ってはいなかった。



「おや?ここでは、見ない顔だね。お客さんかい?」

「えぇ。今日、此処に来ました」

「そうかい。残念だけどお祭りは夜7時からだからね」



そういって、お店の人は掲示板に張ってあるお知らせを指で指していた。



「お祭りか……」



辺りを歩いてみた。

山の裏の秘密基地、人が居ない学校、静かに流れる川。

何故か、どれも懐かしい感じだ。

っと、しばらく歩くうちにさっきの神社から太鼓の音が聞こえてきた。

ふと気がつくとあたりは真っ暗。

明るい神社のほうに歩いていった。



「オジサン、この島の人?」



後ろから声がした。

振り返ると小さな5歳くらいの男の子がはっぴを着て、かき氷を食べていた。




「違うよ?今日、ここにきたんだ」

「そっか。っじゃお祭り楽しんでねー」



男の子はそのまま闇の中に消えてしまった。

誰だろう。でも、どこかあったことがある。

何故か男の子が走ったあとをついていった。

何故ここにきたのか、もしかしたら分かるかもしれない。

男の子は、ある家の中に入っていった。

住宅街のただの一軒家。

やっぱり、ここも見たことがある。

中から男の子が出てきた。



「また、会ったね」



男の子は笑った



「ねえ、君の名前はなに?」



俺は尋ねた。



「ユウスケ」


俺と同じ名前………。

もしかして。

表札を見た。「萩原」


「ごめん、ちょっと家にあがらせて」



俺は、勝手にドアを開け中に入った。

中は俺の記憶のどこかにあった家とぴったり合った。



「母さん。」

「え?」

「佑介君のお母さんは何処にいるの!?」



乱暴にユウスケにたずねた。



「今、お母さんは神社にいるよ。」

「ありがとう」


走った、俺は神社へと走った。

何故か記憶に無かった自分の母親の記憶。

本当はここに俺は住んでいた。

けど、俺の最古の記憶は東京についてから。

一度来た事があると思ったのは、俺がここに住んでいたから。

そして、ここに俺の母さんが居る。

写真でも見たことのない母さんがここにいる。



「はぁ。はぁ。」



着いた。神社に。

狭い境内だから、すぐ見つかる。

何処だ。何処。母さん!!



残り時間 4時間6分  20:54



見つからない。なんで。神社にいるんじゃなかったの。

こうしてても、始まらない。

この島全部探してやる!!

母さん。母さん。



************************************************





なんで、どこにもいないの。


母さん。



「オジサン、お母さん居たよ」



ユウスケ……。



「何処に居るの?」

「僕の家」



また走った。もう間に合わないかもしれない。




残り時間 1時間2分  10:58



「お母さん!!」


萩原家の前には女の人が立っていた。



「…………」



その女の人は黙っていた。

考えてみれば分かること、向こうはこっちを知らないんだ。




「ユウスケ」

「………え?」

「ユウスケなんでしょ?」



母さん、俺のことわかってくれた。




「そうだよ。ユウスケだよ」

「ありがとう。母さん最後にユウスケの立派な姿見れてよかったよ」

「母さん」




その顔はどこか切なく哀しい顔だった。

全てを思い出した俺はこの島の危険を知らせようとした。





「母さん!実はこの島は」

" それは言っちゃダメだ ”

「どうしてだよ。母さんは」

" 未来のコトを過去の人間に知らせてはならない ″

「そんな………」




脱力感。なんで、母さんを生かすことが俺のし忘れてたことじゃないのか。





「ユウスケ」

「え?なに?母さん」

「小さいユウスケを助けてあげてね」

「………!?」




残り10分



「分かった。探してくる」




ユウスケ君どこ?どこなんだ。




「おじさん」

「ユウスケ君ここにいたのか」

「行こう」



ユウスケ君は俺を引っ張ろうとしてる。

ダメだ、このままじゃ。



残り3分




関係ない。今はユウスケ君を生かすことそれだけを考えれば。



「おじさん、なにするの。離して、母さんのところにいきたい!!」



・・・・・・・・・・・・!?



「いいから来るんだ!!」

「やだ!!離して。離してよ。母さんのところに行くんだ。母さん!!!!!」



残り1分



「ここまでくれば大丈夫だ。絶対動いちゃ」




グラグラグラグラグラグラグラ



来た。



バキ・・・・バキバキバキバキ



木が森が町が島が音を立てて崩れていく。

地震なんだ。地震なんだ。

そして俺はココから生き残った、島で一人の生存者。




「ユウスケ君。がんばるんだよ」




残り0秒。





ふと気がつくとまたいつもの道端にいた。

あの過ごした12時間はどこにいったのだろう。

そして、俺のし忘れていたことは。

胸の中にしまっておこう。





アトガキ


とりあえず、書いてみました。
自分の過去に戻るっていうのは某映画をインスパイア。
自分なりには満足してませんけどね 笑
まぁ、ユウスケ君がし忘れてたことはみなさん分かるでしょう。
小さいユウスケ君が言った言葉がヒントです。
あの後、ユウスケ君は気絶してしまいそして記憶喪失。
周りの人間もこの子は誰か分からずじまい。
けれど、首からさげていた名前の書いてあるお財布で名前が分かった。
その後、ユウスケ君は施設に預けられて―――という感じです。
お祭りに行くからお財布はもってないといけませんしね。
とまぁその後を今考えていましたが。 ぁ



























 
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